特許 英語表現 入射
特許 英語表現 入射
No1<入射の英語表現>
特許明細書でよく見かける「光がAに入射する」という表現の英訳について検討しました。以下は、辞書や英文法書を参考にした独自の見解です。
「入射」を表す英語表記は、動詞の"enter"や形容詞の"incident"が一般的で分かりやすいです。
・「光がAに入射する。」の英訳例
(1)Light enters A.
(2)Light is incident on A.
(3)Light is made incident on A.
英訳は(1)~(3)のいずれでもよいです。語数を少なくするなら、(1)または(2)がよく、使役で表現するなら、(3)がよいです。
"incident"と共に用いる前置詞は、"incident on A"のように"on"が適切です。辞書では、そのように記載されているからです。
・「Aに入射した光」という名詞句の英訳例
(1) light that has entered A
(2) light incident on A
技術文章(technical writing)では過去形をなるべく用いないのが好ましいので、入射が既にされていること(すなわち「入射した」の「した」)を表現するなら現在完了形の(1)がよいです。文脈から「した」が明らかである場合や、「した」を「する」と解釈されても問題ない場合には、語数の少ない(2)がよいです。
なお、語数を減らしつつ、「した」を表現する場合には、"light having entered A"とすることもできます。
技術翻訳者
野村俊博