特許 英語表現 相対移動

特許 英語表現 相対移動

 

No.2 「に対して移動」の英語表現の検討

以下は、独自の見解です。

 

「AはBに対して移動する(すなわち、AはBに対して相対的に移動する)」は、次の(1)で表現するのが最も分かり易い。

 

(1) A moves relative to B.

 

(1)が分かり易い理由:

 辞書によると、成句” relative to”が「~に関して」と「~と比較して」を意味する。これについて、relative には「相対的な」という意味があるので、moveと共に用いた成句"relative to B”は、「Bに対して相対的に移動」であると直ぐに連想できる。

 

他の表現として、例えば次の(2)~(4)も可能である。  

 

(2) A moves with in relation to B.

(3) A moves with respect to B.

(4) A moves with regard to B.

 

弁理士

特許技術翻訳者

野村 俊博

特許 英語表現 入射

特許 英語表現 入射

No1<入射の英語表現>

 特許明細書でよく見かける「光がAに入射する」という表現の英訳について検討しました。以下は、辞書や英文法書を参考にした独自の見解です。

 

「入射」を表す英語表記は、動詞の"enter"や形容詞の"incident"が一般的で分かりやすいです。

 

・「光がAに入射する。」の英訳例

(1)Light enters A.

(2)Light is incident on A.

(3)Light is made incident on A.

 

 英訳は(1)~(3)のいずれでもよいです。語数を少なくするなら、(1)または(2)がよく、使役で表現するなら、(3)がよいです。

 "incident"と共に用いる前置詞は、"incident on A"のように"on"が適切です。辞書では、そのように記載されているからです。

 

・「Aに入射した光」という名詞句の英訳例

(1) light that has entered A

(2) light incident on A

 

技術文章(technical writing)では過去形をなるべく用いないのが好ましいので、入射が既にされていること(すなわち「入射した」の「した」)を表現するなら現在完了形の(1)がよいです。文脈から「した」が明らかである場合や、「した」を「する」と解釈されても問題ない場合には、語数の少ない(2)がよいです。

なお、語数を減らしつつ、「した」を表現する場合には、"light having entered A"とすることもできます。

 

弁理士

技術翻訳者

野村俊博